社会人として定年を過ぎて読んでおけばよかった本はと聞かれたら私は一番目は夏目漱石の「坊ちゃん」と答える。2番目は「坊ちゃん」3番目も「坊ちゃん」だ。きっと52番目も「坊ちゃん」と答えるだろう。
小学生・中学生・高校生・大学生・社会人なりたての時・二十歳の時・30歳・40歳・50歳の時などの節目に読んでおくべき本だ。言い切れるよ。
あらすじは皆も知っているとおり、ちょっとだけ正義感が強い都会(東京)の次男坊が平均的な教師に田舎で就いたが、古狸という管理職(校長)と赤シャツという管理職次長(教頭)やらに囲まれて職を投げ出し出身地に舞い戻る物語。
今の価値で1万円が1円と称する時代に新任教師の初任給が40円(つまり40万円)を管理職に認められたら45円(45万円)に昇給させてやると言われているのに、要らぬ正義感を出して都会(東京)で25円(25万円)の仕事に就いて時代から消え去るというお話。幼いころから”坊ちゃん”と婆やから育てられ、その婆やと一緒に時代から消え去る。
今でいう”都会で正義感”出して安物の仕事するか、管理職にゴマ擦って管理職もどきの高給取りを目指すのか、田舎で”俺は都会者だ、格好いいだろ”と中級の暮らしをするか。の話だよ。サラリーマンは読んでおくべき本だよ。小学生から定年を迎える時代まで、あなた個人の仕事の節目に合わせて、あなたはどう受け止めるか、仕事への価値観がどう違ってくるのか、自分で気付くために読む本だよ。
初版は確か明治30年位、版を重ねて今、確か52版くらいまで続いているベストセラー。読むたびに感想が違ってくる。貴方が親の立場なら子供に読んでほしい本。人生の節目節目に読んでほしい。
より良い人生を過ごすためにどうぞ。
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